そぼろと琥珀色の寒天 蛍表現
沢辺の蛍-絵本作家・永田萌さん
進学で京都にきてから40年近く。常々すごいと思わされてきたのが、菓子のレベルの高さだ。洗練された風味や形状はもちろん、箱や包装紙の意匠をはじめ、菓子を包む葉っぱや籠に至るまで、配慮が行き届いている。「京都の美意識が育て上げたトータルな芸術ですね」
季節にちなんだ生菓子が好きだ。夕闇の沢辺を舞うホタルの群れを、黒小豆のそぼろと琥珀(こはく)色の寒天で表現している。すっと溶けていくかのような口あたりに、さわやかな甘みもうれしい。
10年ほど前から、煎(せん)茶のけいこをはじめた。ジャンルを越えた幅広い交流をと、尊敬するアートディレクターの誘いを受けてのこと。「きょうはどんなお菓子が出てくるのだろう」。けいこのたびに出される美しい生菓子のとりこに。月一度の大きな楽しみになった。
昨年2月末、京都市中京区の京都芸術センターで開いた茶会が、忘れられない思い出だという。鹿児島から取り寄せたサクラの早咲きを飾りつけて、来る春を待つという演出。準備した茶菓子は、ウグイスをモチーフにした練りきり。ピンと伸びたしっぽなど、そのかわいらしさに、あちこちから感嘆の声が上がった。
目覚めた後に、和菓子を食べることを習慣にしている。品の良い甘さが体をほっとさせ、仕事がはかどる午前中のエネルギーにもなる。「夢は菓子屋さんの隣に住むこと。朝一番に上等の甘いモノを買って、朝食代わりに食べたい」と笑う。(京都市中京区)
【メモ】 さわべのほたる 白小豆の粒あんをしんにして、黒小豆のそぼろをまぶしたきんとん。琥珀色の寒天を散らして、夕闇に浮かぶホタルを表現している。6月限定で要予約。1個347円。「紫野源水」TEL075(451)8857
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ゆめかで~す。この間、旅行先で「京風らーめん」というものを食べたのですが、京都で食べるラーメンとは、似ても似つかぬモノでした。「京風」って言葉には注意が必要ですね。次回は、着物デザイナーの花園ゆかりさんです。
(2006年6月5日)